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1-41-1: 平行でない3力のつり合い

剛体の重要な定理をいくつか押さえましょう → <例題>は1-41-2へ                               

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ポイント 
・ 剛体のつり合いを考えるときには、モーメントの中心はどこに取ってもよい           
・ 平行でない3力がつり合うときには、3力の作用線は1点で交わる

 まず、重要な定理を1つ。「剛体のつり合いを考えるときには、モーメントの中心はどこに取ってもよい」。例えば図1で、点Aのまわりに回転しないと考え点Aを中心とするモーメントのつり合いの式を立てても、点Bのまわりに回転しないと考え点Bを中心とするモーメントのつり合いの式を立てても、力のつり合い と連立させる限りにおいては、同じ結論が得られる。その証明は省略するが、意味としては ―― どうせ剛体が運動しない状況を扱うのだから、点Aのまわりに回転しないと考えても、点Bのまわりに回転しないと考えても、結論は同じという意味。

図1

 では、剛体に働く平行でない3力のつり合いに関する定理を説明していこう。
 1-39-1でやった定理「剛体に加わる力は作用線に沿って動かしてよい」を用いる。図2aでまず力\(F_1\)、\(F_2\)を動かせば、これらは点Oに加わっていると考えてよい。次に\(F_3\)の作用線が点Oを通らないとする。「モーメントの中心はどこに取ってもよい」から、まさに点Oを中心とするモーメントのつり合いを考えると、\(F_1\)と\(F_2\)のうでは0なのでモーメントは0、\(F_3\)のうではではないから、\(F_3\)のモーメントだけが0ではない。すると明らかにモーメントはつり合わない。一方、\(F_3\)の作用線が点Oを通るとすると、\(F_3\)のうでも0になってモーメント0になる。よって、平行でない3力がつり合うときには、3力の作用線は1点で交わる(図2b)。

Posted by AKJ