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2-01-1: 波動分野の準備 <動画あり>

波動の基本用語、基本公式からスタートしましょう                          

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ポイント             
・ 波は1周期\(T\)で1波長\(\lambda \)進む
・ 波の速さ \(V\) = \(\displaystyle \frac{\lambda}{T} \) = \(\lambda f \)     \(f\): 振動数[Hz=1/s]
      [\(\displaystyle \text{m}/\text{s} \)] = [\(\displaystyle \frac{\text{m}}{\text{s}} \)] = [\(\displaystyle \text{m} \frac{1}{\text{s}}\)]

 ひもの正弦波(サインカーブの形をした波)が伝わるとき、サインカーブが形を保ったまま平行移動していく。波動とは、一定の波形が平行移動していく現象だ(図1)。波1個分(サインカーブ1個分)の長さを波長\(\lambda \)[m]という。 波を伝えていく物質(この場合はひも)を媒質といい、媒質の各点各点は媒質粒子から成る。
 このとき、粒子はA→Bと波とともに動くのではなく、A→A1と上下方向に動く。

図1

 時間が経つにつれて波形が図2の太線→点線→細線→鎖線のように平行移動していくと、粒子はA→A1→A2→A3のように単振動をする。単振動とは、1-23-1の図2にあるような往復運動だ(動画は1-24-2を参照のこと)。波動では、単振動を略して振動と呼ぶことが多い。
 Aのように最も高い位置を、A2のように最も低い位置を、A1、A3を(振動)中心という。図2より、まずAが山になってから(太線)、少し遅れてBが山になり(点線)、さらに少し遅れてCが山になる(細線)ことが分かる。
 \(\displaystyle \)ところで、スポーツ観戦している観客が応援でウェーブ(波)を起こすときは ―― まず1列目の観客が立ち上がり、少し遅れて隣りの2列目の観客が立ち上がり、さらに少し遅れて3列目・・・というように、観客の立ち上がるタイミングが少しずつ遅れていくと、我々の目にはウェーブが平行移動していくのが見える。このとき、観客自体はウェーブとともに遠くへ遠くへ移動して行かない。ただその場で立ったり座ったりを繰り返すだけだ。

図2

 これと同様に、波動とは、1点(A)の振動が少しずつ遅れたタイミングで隣りの隣りの(B、C、・・・)振動を引き起こしながら、波形(サインカーブ)が平行移動していく現象である。言い換えると波動では、粒子であれば中心のまわりに上下に振動する(2-04-1の縦波では左右に振動する)場合を扱う。粒子は遠くへ遠くへ移動しない。なお、振動を引き起こす(結果として波形が平行移動する)原因は、ひもを伝わる波では粒子どうしが引張り合う張力である。
 A→・・・→Aと元に戻るまでを振動1回といい、振動1回にかかる時間を周期\(T\)という。1sあたりの振動回数を振動数\(f\)という。
 振動数\(f\)は周期\(T\)の逆数だ : \(\displaystyle f=\frac{1}{T} \) [1/s=Hz](ヘルツという)
 なぜ逆数なのかは、周期\(T\)を1sより短くイメージするとよく分かる。例えば振動1回にかかる時間(周期\(T\))が0.1sなら、1sあたりの振動回数(振動数\(f\))はいくらだろう。確かに\(\frac{1}{0.1} \)=10回。

 さて、図2で粒子がA(太線)→A1(点線)→A2(細線)→A3(1点鎖線)→Aと1回振動して元のAに戻ると、波形はA→B→C→Dと1波長進んで元のAを通る太線の波形になる。言いかえると、波は1周期\(T\)の間に1波長\(\lambda \)進む。\(\frac{1}{4}T\)なら\(\frac{1}{4} \lambda \)進む。速さは距離÷時間だから、波の進む速さ\(V\)=波長\(\lambda \)÷周期\(T\)、つまり
 波の速さ \(\: V\) = \(\displaystyle \frac{\lambda}{T} \) = \(\lambda f \) 
     [\(\displaystyle \text{m}/\text{s} \)] = [\(\displaystyle \frac{\text{m}}{\text{s}} \)] = [\(\displaystyle \text{m} \frac{1}{\text{s}}\)] 
 この公式の覚え方は、まさに「1周期\(T\)で1波長\(\lambda \)進む」。さらに単位を付けながら覚えておけば、間違いがない。

 最後に動画をお見せしよう。

Posted by AKJ