5-02-1: 熱量の計算
熱量の計算をやると、物理学における単位の重要性をあらためて実感できます! → <例題>は5-02-2へ
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ポイント
・ とくに熱量計算は単位を意識しながら行う
・ 比熱 [J/\(\text{g} \cdot \)K]、 熱容量 [J/K]
熱量計算は、次の2つの量を押さえよう。
1⃣ 比熱\(c\)―― ある物質1\(\text{g} \)(または1\(\text{kg} \))あたりの温度を1Kあたり上げる(下げる)ために必要な熱量[J/\(\text{g} \cdot \)K(またはJ/\(\text{kg} \cdot \)K ) ]。
水の比熱は4.2J/\(\text{g} \cdot \)K、銅は0.38J/\(\text{g} \cdot \)K、水の方が比熱が大きい。ということは、水の方が銅よりも1K上げるために多くの熱量を必要とするから、温めにくいという意味になる。つまり、比熱とはものの温めにくさ(冷めにくさ)の度合い。比熱の大きい物質ほど温め(冷め)にくい。
例えば水の比熱が\(c\)=4.2J/\(\text{g} \cdot \)Kであるとき、水100\(\text{g} \)Kの温度を5K上げるために必要な熱量はいくらだろうか。
1\(\text{g} \)あたり熱量が4.2J必要なのだから、2\(\text{g} \)では2×4.2J必要、3\(\text{g} \)では3×4.2J必要、・・・、100\(\text{g} \)では100×4.2J必要。
1K上げるのに4.2J必要なのだから、5Kでは5×4.2J必要。
よって求める熱量は 4.2J/\(\text{g} \cdot \)K×100\(\text{g} \)×5K=2100J。
このように、熱量計算は単位を意識しながらやれば、意味もよく分かるし間違いがない。
2⃣ 熱容量\(C\) ―― ある物質\(m\)[\(\text{g} \)]があったとして、それを1\(\text{g} \)あたりに換算することなく、ともかく\(m\)[\(\text{g} \)]全体の温度を1Kあたり上げる(下げる)ために必要な熱量[J/K]。
熱容量\(C\)は比熱\(c\)と違って1\(\text{g} \)あたりに換算しないので、単位に[ /\(\text{g} \)]が付かない。
例えば容器120\(\text{g} \)の熱容量が\(C\)=45J/Kであるとき、容器の温度を20K上げるための熱量はいくらか。ともかく容器120\(\text{g} \)全体の温度を1K上げるのに45J必要なのだから、求める熱量は45J/K×20K=900J。