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2-21-2: 2スリットの干渉 <例題>

2スリットの経路差の計算法が何と言っても大事です                  

例題 

 図1のように、光源から出た単色光をスリットSに通し、さらに近接した2本のスリッA、Bに当てたところ、スクリーン上に明暗の縞(干渉縞)が現れ、点Oに最も明るい明線が見られた。スリットA、BはSから等距離におかれている。

問1 スリットAとBの間隔d、またはスリットからスクリーンまでの距離Lを大きくしたとき、干渉縞の隣り合う明線の間隔はどのように変化するか。正しいものを、次の①~④のうちから一つ選べ。
① dを大きくすると大きくなり、Lを大きくすると小さくなる。
② dを大きくすると小さくなり、Lを大きくすると大きくなる。
③ dを大きくしてもLを大きくしても、大きくなる。
④ dを大きくしてもLを大きくしても、小さくなる。

問2 次に、図2のようにスリットSを矢印の向きに動かすと、スクリー上の干渉縞の位置が移動した。点Oの位置が暗線となる条件を満たすものを、次の①~④のうちから一つ選べ。ただし、スリットSからABまでの距離をそれぞれl_1,l_2とする。
① l_2-l_1=\lambda   ② \displaystyle l_2-l_1=\frac{5}{4}\lambda   ③ \displaystyle l_2-l_1=\frac{3}{2}\lambda  
④ \displaystyle l_2-l_1=\frac{7}{4}\lambda  

解答・解説

 [ 明線間隔を聞かれたのだから、まず強め合いの条件を求めようと考えよう。次に、強め合いの条件には経路差が必要だと考えよう ]
問1 2-21-1でやった通り、経路差\displaystyle =d\sin\theta ≒d\tan\theta =d\frac{x}{L}   (*)
 強め合いは経路差\displaystyle d\frac{x}{L} =m\lambda  (m=0,\pm 1,\pm 2,\cdots )   
 ゆえに明線の位置は \displaystyle x_m=m\frac{L\lambda}{d} =0,\,\pm\frac{L\lambda}{d},\, \pm2\frac{L\lambda}{d},\, \cdots       
 これは公差\displaystyle \frac{L\lambda}{d} の等差数列だから、となり合う明線の間隔も\displaystyle \frac{L\lambda}{d} で、それはdを大きくすれば小さくなり、Lを大きくすれば大きくなる。     ②
・ 以上から分かる通り、明線の位置の公式\displaystyle x_m=m\frac{L\lambda}{d} を無理に覚えようとする必要はなく、(*)の経路差の求め方を理解しておけばよい

問2 図2より、経路差=(SB+BO)-(SA+AO)  
 BO=AOにより経路差=SB-SA=l_2-l_1 
 弱め合いはこれが\displaystyle \left(m+\frac{1}{2} \right) \lambda =\pm\frac{1}{2} \lambda,\, \pm\frac{3}{2} \lambda,\, \pm\frac{5}{2} \lambda,\, \cdots  に等しくなるときで、選択肢に合うものは③の\displaystyle \frac{3}{2} \lambda       ③

Posted by AKJ