2-05-1: 重ね合わせの原理
様々な波動現象を引き起こす、重要な原理をしっかり理解しましょう!
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ポイント
・ 重ね合わせの原理 変位\(y_1\)の波と変位\(y_2\)の波が重なり合うと、
変位\(Y=y_1+y_2\)の合成波のみが観測される。
図1のように、変位(高さ)\(y_1\)の波が右に、変位\(y_2\)の波が左に進んでくると、何が起こるだろうか(現実には、このような角ばった波は存在しないが、簡単のためそれを扱う)。
2つの波は「ぶつかって」はね返ったりはしない。ただ単に「重なり合い」(図2)、その後、お互い何事もなかったようにすり抜ける(図3)。しかも、重なり合っている間は次の重ね合わせの原理が成り立つ:
2つの波が重なり合った所での変位\(Y\)は、2つの波がそれぞれ単独にやってきたとしたときの変位\(y_1\)および\(y_2\)の和に等しい。 \(Y=y_1+y_2\)
要は2つの波が重なると、それらの高さが足し算されるということ。変位\(Y\)から成る波を合成波という(図2の赤線)。
なぜ2つの波が「ぶつかって」はね返るようなことは起きないのか。一言で言ってしまえば「それが波動の法則性」となるのだが、少し補足しておくと ―― 2-01-1でやった通り、波動では波形は\(x\)方向へ平行移動しても、媒質粒子は\(x\)方向へ移動しない。ただ\(y\)方向に変位するのみである。粒子が\(x\)方向へ移動してきてぶつかることなど、決して起こらない。
なお、縦波では粒子の変位は\(x\)方向だが、縦波の横波的表示の考え方に基づいて変位を\(y\)方向に取り直せば、このページの結論は縦波でも全て成り立つ。(詳しい話は大学に任せて)「それが波動の法則性」と割り切ろう。