10-05-1: 単振動のxとtの関係式
数学的な詳細に興味がある人のためのトピックです。
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1-22-1の単振動の方程式 \(\displaystyle \frac{d^2x}{dt^2}=-\omega^2(x-x_c) \) ただし \(\displaystyle \omega =\sqrt{\frac{k}{m}} \) (1)
を直接解いて(式変形して)、 \(x=A\sin(\omega t+\phi) +x_c \) となることを示そう。
・ (1)を\(m\)倍して \(\displaystyle m\frac{d^2x}{dt^2}=-k(x-x_c) \) と書く。これを、
\(\displaystyle \frac{d^2x}{dt^2}=\frac{d}{dt}\frac{dx}{dt}=\frac{d}{dt}v=\frac{dv}{dt} \) に注意して
\(\displaystyle m\frac{dv}{dt}+k(x-x_c)=0 \) と書きかえて両辺\(v\)倍する。
\(\displaystyle mv\frac{dv}{dt}+k(x-x_c)v=0 \) (2)
ところが \(\displaystyle \frac{d}{dt} \left(\frac{m}{2}v^2 \right)=\frac{d(\frac{m}{2}v^2)}{dv}\frac{dv}{dt}=mv\frac{dv}{dt}= \) (2)の第1項
\(\displaystyle \frac{d}{dt} \left(\frac{k}{2}(x-x_c)^2 \right)=\frac{d(\frac{k}{2}(x-x_c)^2)}{dx}\frac{dx}{dt}=k(x-x_c)v= \) (2)の第2項
ゆえに(2)は \(\displaystyle \frac{d}{dt} \left( \frac{m}{2}v^2 +\frac{k}{2}(x-x_c)^2 \right)=0 \)
微分して0になるものは定数だから \(\displaystyle \frac{m}{2}v^2 +\frac{k}{2}(x-x_c)^2=\)定数\(=E \, \) (3)
と書く [ これはエネルギー保存の式に他ならない ]
・ (3)より \(\displaystyle v^2=\frac{2E}{m}-\frac{k}{m}(x-x_c)^2=\frac{k}{m} \left( \frac{2E}{k}-(x-x_c)^2 \right) \)
\(\displaystyle \sqrt{\frac{k}{m} }=\omega \)((1)より) 、\(\displaystyle \sqrt{\frac{2E}{k} }=B \)(>0)と書くと、
\(v^2=\omega^2(B^2-(x-x_c)^2) \)
∴ \(\displaystyle v=\frac{dx}{dt}=\pm \omega \sqrt{B^2-(x-x_c)^2 }\)
\(\displaystyle\)∴ \(\displaystyle \frac{\frac{dx}{dt}}{\sqrt{B^2-(x-x_c)^2} } =\pm \omega \) \(\displaystyle\)∴ \(\displaystyle \int{\frac{\frac{dx}{dt} dt}{\sqrt{B^2-(x-x_c)^2} } }=\pm \omega \int{dt}\)
左辺を置換積分して \(\displaystyle \int{\frac{dx}{\sqrt{B^2-(x-x_c)^2} } }=\pm \omega \int{dt} \;\: \) (4)
ここで \(x-x_c=B\sin\theta \)と変換してみる。 (5)
\(dx=B\cos\theta d\theta \) 、及び(4)中の
\(\sqrt{B^2-(x-x_c)^2}=\sqrt{B^2(1-\sin^2\theta)} =B|\cos\theta| \) より
(4)の左辺\(\displaystyle =\int{\frac{B\cos\theta}{B|\cos\theta|} d\theta}=\int{(\pm 1)d\theta} =\pm \theta +C_1 \)(\(C_1\)は積分定数)
また(4)の右辺\(=\pm \omega t+C_2\)(\(C_2\)は積分定数)であるから、(4)は
\(\pm \theta +C_1=\pm \omega t+C_2\)(複合同順ではない)
∴ \(\theta =\pm \omega t \pm(C_2-C_1) \)(複合同順ではない)
\(\pm(C_2-C_1)=C \)と書き直せば、(5)より
\(x-x_c=B\sin(\pm \omega t+C)=\pm B\sin(\omega t \pm C) \)(複合同順)
\(\pm B=A \) 、\(\pm C=\phi \)と書き直せば、 \(x=A\sin(\omega t+\phi) +x_c \) (証明終り)