1-21-1: 非等速円運動
速さの変わっていく「非」等速円運動をきっちりマスターしましょう ! → <続き>は1-21-2へ
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ポイント
・ 非等速円運動は以下の2式を連立して解く。
力学的エネルギー保存 及び 円運動の方程式
非等速円運動の例として、小球が鉛直面内をなめらかな円形レールの内側に沿って動く図1を扱う。「鉛直面内」ということは、天井から見下ろした図ではなく、真直ぐ立ったレールを真横から見ているという意味。
図の点Aは最下点で、球に初速度\(v_0\)を水平右向きに与える。Aから左回りに中心角\(\theta\)を測る。点Pは任意の\(\theta\)の位置で、速さ\(v\)、加速度の中心成分\(a_中\)(中心に向かう向き正)、接線成分\(a_接\)(\(\theta\)の増える向き正)とあり、球に加わる重力\(mg\)と垂直抗力\(N\)も書かれている。点Bは\(\theta=\frac{\pi}{2}\)の位置、点Cは球がレールから離れる可能性のある位置、点Dは最高点である。
非等速円運動には鉄則のようなものがあり、ズバリ以下の連立を解く。
力学的エネルギー保存 (I)
運動方程式の半径方向成分(円運動の方程式) (II) (1-20-1)

(I)は点Pをあと状態、点Aをまえ状態かつ高さ0に取って(図1)
あとP = まえA
\(\displaystyle \frac{m}{2}v^2+mg(r-r\cos\theta) =\frac{m}{2}v_0^2+mg0 \) (i)
(II)は \(\displaystyle ma_中=m\frac{v^2}{r} =F_中 \)(合力の半径方向成分、中心向き正)、すなわち
\(\displaystyle\)\(\displaystyle m\frac{v^2}{r} =N-mg\cos\theta \) (ii)
\(F_中\)には\(N\)だけでなく、中心向きを正に\(-mg\cos\theta\)も入ってくることに注意。
(i)からは\(v^2\)が(つまり実質\(v\)が)\(\theta\)の関数として求まる。
\(v^2=v_0^2-2gr+2gr\cos\theta \) (1)
これを(ii)に代入すると\(N\)が\(\theta\)の関数として求まる。
\(\displaystyle N=\frac{m}{r}v^2 +mg\cos\theta \)
\(\displaystyle =\frac{m}{r}(v_0^2-2gr+2gr\cos\theta) +mg\cos\theta \)
\(\displaystyle =\frac{mv_0^2}{r}-2mg+3mg\cos\theta \) (2)
この(1)、(2)に基づいて次の1-21-2で詳しいを考察していく。が、その前に、運動方程式の接線方向成分は(図1)
\(ma_接=-mg\sin\theta \) ∴ \(a_接=-g\sin\theta \)
例えば加速度の大きさ\(a\)はと聞かれたら、\(\displaystyle a_中=\frac{v^2}{r}\) を答えるのではなく、
\(a=\sqrt{(a_接)^2+(a_中)^2} \) を答える。\(a_接\)も含めなければいけないので要注意だ。