1-24-2: 単振動のx-tグラフの4パターン <動画あり>
タイトルを言い換えると、初期条件の4大パターンとも言えます。
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ポイント
・ 単振動は復元力(つねにつり合い点へと向く合力)が引き起こす
・ 初期条件のパターン1,2:つり合い点から\pm Aずらして静かに離す
→ ±cos型
・ 初期条件のパターン3,4:つり合い点で初速度\pm v_0を与える
→ ±sin型
・ 公式 つり合い点にてv_{\text{max}} =A\omega より、パターン3,4の振幅\displaystyle A=\frac{v_0}{\omega}
まず準備として、「復元力」という重要な用語を解説する。図1は1-24-1図1と同様の図。つり合い点(x=0)では弾性力(黄色)と重力(青)がつり合っている。
物体がつり合い点の下に来ると、ばねののびが大きくなって上向きに引っ張る弾性力が下向きの重力より勝り、合力F(赤、弾性力と重力の合計)は上を向く。
\displaystyle つり合い点の上に来ると、ばねののびが小さくなる、もしくはばねがちぢんで押しの弾性力が下向きとなり、合力Fは下を向く。
つまり、合力がつねにつり合い点に向いている。このタイプの合力Fを復元力という。

復元力の下での運動の様子を示したのが図2。物体がつり合い点の上に来ると、「つり合い点に向く合力F(下向き)」でつり合い点に引き戻される。次いで、勢い余ってつり合い点を通り過ぎ下まで来ると、「つり合い点に向く合力F(上向き)」で再びつり合い点に引き戻される。このようなことから、つり合い点が振動(往復運動)の中心になること(それは既に1-23-1で導いている)がうなずける。

では、いよいよ前の単元1-24-1の続き 運動v,xを調べる に入ろう。これについては下の動画を見てほしい。もちろん、弾性力:黄色、重力:青、合力F:赤 で、dは自然長の位置である。
パターン1,2:つり合い点から\pm Aずらして静かに離す 場合の振幅は明らかにAであるから、
x=\pm A\cos \omega t+x_c であると分かる。
一方、パターン3,4:つり合い点で初速度\pm v_0を与える 場合の振幅は、まず
公式 つり合い点x=x_c にてv_{\text{max}} =A\omega
を押さえる。この証明には、1-23-1でやった
x=A\sin(\omega t+\phi)+x_c 及び v=A\omega \cos(\omega t+\phi)
を用いる。vが最大値v_{\text{max}} となるのは、\cosが最大になる\cos(\omega t+\phi)=1 のときだからv_{\text{max}} =A\omega。このとき \sin(\omega t+\phi)=0 [\cos=1 のとき\sin=0 ] であるからx=x_c 。つまり、つり合い点(振動中心)x=x_c にてv_{\text{max}}=A\omega(証明終り)。
さて、いま初期条件x=x_cにてv=\pm v_0=\pm v_{\text{max}}=\pm A\omega (複合同順)であるから、振幅\displaystyle A=\frac{v_0}{\omega} 。
よって、\displaystyle x=\pm\frac{v_0}{\omega}\cos \omega t+x_c となる。
v_{\text{max}}=A\omegaは便利な公式だから、ぜひ覚えておこう。