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2-02-1: y-xグラフとy-tグラフ <動画あり>

2つのグラフの違いをしっかり理解しましょう → <例題>は2-02-2へ                           

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ポイント             
・ 波のグラフは横軸に注意 
・ \(y\)-\(x\)グラフ波形グラフ、「写真」、\(t\)を1つに固定
・ \(y\)-\(t\)グラフ振動グラフ、「ビデオ」、\(x\)を1つに固定

 波のグラフには、\(y\)-\(x\)グラフと\(y\)-\(t\)グラフの2種類がある。
1⃣ \(y\)-\(x\)グラフ(図1)
 ひもを伝わる波を例に取ると、\(x\)座標は、ひもが真っ直ぐに張った状態での媒質粒子の位置を表す。\(y\)座標は、ひもが波立っている状態で各粒子が\(y\)方向にどれだけ変位しているか(粒子の高さ)を表す。ゆえに\(y\)-\(x\)グラフでひもの形が表わされる。
 \(y\)-\(x\)グラフは波形グラフだ。なお、\(A\)を振幅という。

図1

2⃣ \(y\)-\(t\)グラフ
 ある1つの粒子の単振動の様子を表す\(y\)-\(t\)グラフは振動グラフだ。
 例えば図2(\(y\)- \(x\) グラフ)で実線のサインカーブが\(t=0\)での波形、点線が\(t=\frac{T}{4}\)での波形だとする。粒子Oは\(t=0\)から\(t=\frac{T}{4}\)にかけて★のように下向きに動く(2-01-1でやった通り、粒子は\(x\)方向には動かず\(y\)方向に動く)から、横軸\(t\)の\(y\)- \(t \) グラフ(振動グラフ)で★を対応させると図3のようになる。つまり、粒子O の\(y\)-\(t\)グラフを書くときには、図2の他のP、Q、・・・は一切見ずに、Oだけを見つめ続けてその動きを追う。ということは、\(y\)-\(t\)グラフは空間的にはただ1点のことだけを表している、空間的な広がりのことは表していないグラフだ。
  \(y\)-\(x\)グラフはある瞬間の波形をとらえる「写真」のグラフ
  \(y\)-\(t\)グラフはある1点の振動を見つめ続ける「ビデオ」のグラフ
と理解しておくとよい。なお、
  横軸が[m]単位の\(y\)-\(x\)グラフのサインカーブ1個分の横幅は波長\(\lambda \)[m](図2)
  横軸が[s]単位の\(y\)-\(t\)グラフのサインカーブ1個分の横幅は周期\(T\)[s](図3)  
を表す。

 さて、粒子Qは図2で☆のように上向きに動くから、その\(y\)-\(t\)グラフは図4のようになり、図3とは違ってくる。

図4

 そもそも、
 \(y\)-\(t\)グラフは横軸が\(t\)で、\(t\)が変数だが、逆に\(x\)は1つに固定している(例えば\(x=0\)に固定したものが図3)。
 \(y\)-\(x\)グラフは横軸が\(x\)で、\(x\)が変数だが、逆に\(t\)は1つに固定している(例えば\(t=\frac{T}{4}\)に固定したものが図2の点線)。
 入試で波のグラフの問題が出題されたなら、まず横軸に注意しよう。その上で、
   \(y\)-\(x\)グラフなら\(t\)をいつに固定しているのか
   \(y\)-\(t\)グラフなら\(x\)をどこに固定しているのか
を押さえることが大切だ。  
 最後に動画を見てみよう。

Posted by AKJ