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1-30-2: 2次元の相対速度・加速度 <例題>

1-30-1の1次元の相対速度・相対加速度を、2次元の場合に拡張します。  

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ポイント             
・ 観測者Pの速度、加速度をそれぞれ\(\vec{v_P}, \, \vec{a_P} \)、
  物体の速度、加速度をそれぞれ\(\vec{v}, \, \vec{a} \)として
  Pから見た(Pに対する)物体の相対速度 \(\vec{v’}=\vec{v}\)\(-\vec{v_P}\)  
  Pから見た(Pに対する)物体の相対加速度\(\vec{a’}=\vec{a}\)\(-\vec{a_P}\)

 図1には微小時間\(\Delta t\)の間の物体と観測者の変位が、それぞれ\(\vec{v}\Delta t, \, \vec{v_P}\Delta t \)と書かれている。すると\(\Delta t\)後の観測者から見て\(\Delta t\)後の物体は、黄色の矢印の向きに黄色の矢印の長さだけ動くように見える。ゆえに黄色の矢印の表しているものは、観測者から見た物体の相対速度\(\vec{v’}\)に\(\Delta t\)をかけたものである。この図1から、ベクトルの引き算で
 \(\vec{v’}=\vec{v}\)\(-\vec{v_P}\)
と表せることが言える。1-30-1の1次元の相対速度と同様に、Pから見た相対速度では\(\vec{v_P}\)を引き算するのだから、「から見た」(に対する)を引き算する公式と覚えよう。

図1

 同様にPから見た物体の相対加速度も「から見た」を引き算する。
 \(\vec{a’}=\vec{a}\)\(-\vec{a_P}\)
 ここで、

例題 

 雨が鉛直下向きに15\(\sqrt{3}\)m/sで降っているとする。水平な道路上を一定速度15m/sで走行している自動車から見て、雨はどちら向きにいくらの速さで落下するように見えるか。

解答・解説

 雨と観測者Pの速度をそれぞれ\(\vec{v} \,\vec{v_P}\)とすると、Pから見た雨の相対速度\(\vec{v’}=\vec{v}\)\(-\vec{v_P}\) 。ベクトルの引き算をするために\(\vec{v}\)と\(\vec{v_P}\)のしっぽ(矢印の根元)をくっ付けると、図2のような作図ができる。
   車の進行方向と逆方向に鉛直から30°傾いた向き、速さ30m/s

図2

Posted by AKJ