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2-19-2: レンズの公式 <例題>

例題を通じてレンズの理解を深めましょう                            

例題 

 凸レンズのはたらきについて考えよう。図1のように、レンズから距離\(a\)の位置に物体を置いたとき、レンズから距離\(b\)の位置に像ができた。図2は\(a\)と\(b\)の関係を表すグラフである。ただし、\(b\)が負の値をとるのは、レンズから見て物体側に像ができるときである。

問1 このレンズの焦点距離はいくらか。最も適当な数値を、次の①~④のうちから一つ選べ。
① 5 ② 10 ③ 20 ④ 40
問2 像と物体の位置が、図2中の点Bで与えられるとき、像の大きさは物体の大きさの何倍か。最も適当な数値を、次の①~⑤のうちから一つ選べ。
① \(\displaystyle \frac{1}{3} \) ② \(\displaystyle \frac{1}{2} \) ③ 1 ④ 2 ⑤ 3
問3 このレンズを虫めがねとして用いるためには、図2中のA~Dのどこで使えばよいか。最も適当なものを、次の①~④のうちから1つ選べ。
① A ② B ③ C ④ D 
問4 レンズの下半分を黒い紙で覆った。このとき、像はどのように変化したか。最も適当なものを、次の①~⑥のうちから一つ選べ。
① 像の下半分が見えなくなった。  
② 像の上半分が見えなくなった。 
③ 像全体が暗くなった。 
④ 像全体が明るくなった。 
⑤ 像が小さくなった。 
⑥ 像が大きくなった。

解答・解説

(*) 問題文「\(b\)が負の値をとるのは、レンズから見て物体側に像ができる」とは、2-19-1図2の虚像ができる場合
 2-19-1図2ではレンズの公式は \(\displaystyle \frac{1}{a} +\frac{1}{-b} =\frac{1}{f} \) だったが、この問題では、\(-b\)の代わりに\(b\)(\(<0\))を用いて \(\displaystyle \frac{1}{a} +\frac{1}{b} =\frac{1}{f} \)  つまり\(b\)に符号を含めている。混乱しないように。

問1 図2の点Cで\(a\)=cm、\(b\)=cmを読み取れば、レンズの公式
 \(\displaystyle \frac{1}{a} +\frac{1}{b} =\frac{1}{f}\)(2-19-1図2の場合)が使える。
 \(\displaystyle \frac{1}{20\text{cm}} +\frac{1}{20\text{cm}} =\frac{1}{f} \)  ∴ \(f\)=10cm 
  ②
問2 図2の点Bでは\(a\)=15cm、\(b\)=30cmだから、
 倍率\(\displaystyle =\frac{b}{a} =\frac{30\text{cm}}{15\text{cm}} =2 \)     ④
問3 虫めがねとは、2-19-1図2のように物体を凸レンズと焦点の間に置く場合だ。するとレンズの前方に、正立虚像が必ず拡大されて見える(2-19-1図3の凹レンズでは、正立虚像が縮小されてしまうから、虫めがねとして使えない)。(*)の下線部より、\(b<0\)となるものを図2のグラフから選べばよいから、答は点A    
  ①
問4 2-19-1図aの後の段落で、「様々な光全てがレンズの後方の1点で交わる」と説明があったのを思い出そう。するとレンズの下半分を覆っても、下図のように矢印の先端(青丸)から足元(黄色丸)まで像は結ばれることが分かる。像の上半分や下半分が欠けることはない。ただしレンズの下半分の光(点線)が届かないから、光量は減って像は暗くなる。    
  ③

Posted by AKJ