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2-18-2: 全反射 <例題>

全反射がどのように出題されるのか、具体的に練習をしてみましょう             

例題 

 図のように角AOBが直角の、ガラスでできたプリズムを空気中に置き、レーザー光線を当てた。レーザー光線は、OA面上の点Pに入射角\(i\)で入射し、角\(r\)で屈折したあと、OB面上の点Qからプリズムの外に出た。空気とガラスの屈折率をそれぞれ1,\(n\)とする。
 いま、入射角\(i\)がある角\(i_0\)になったときに、レーザー光線はOB面から外に出なくなった。角\(i_o\)と屈折率\(n\)との間にどんな関係が成り立つか。次の①~⑥のうちから正しいものを一つ選べ。 
① \(\sqrt{1-n^2 \cos^2 i_0} =n \)  ② \(\sqrt{n^2 -\cos^2 i_0} =1 \)  
③ \(\sqrt{1-n^2 \sin^2 i_0} =n \)  ④ \(\sqrt{n^2 -\sin^2 i_0} =1 \)  
⑤ \(n\sin i_0 =1 \)  ⑥ \(n\cos i_0 =1 \)  

解答・解説

 「OB面から外に出ない」とは点Qで全反射が起きるということ。そこで、臨界状況とは屈折角が90°の状況であることを意識して、図1のような作図をしておこう。三角形の内角の和は180°だから、図中の角*=90°\(-r_0\)に気付ければ、しめたもの。

図1

 もちろん関係する法則は屈折の法則(\(n×\sin\theta \)=一定)で、
 点Pでの屈折則 \(\sin i_0 =n\sin r_0 \, \)     (1)
 点Qでの屈折則 \(\sin (90°-r_0) =1\cdot \sin 90° \)
  つまり \(\displaystyle \cos_0=\frac{1}{n} \)           (2)
 あとは(1)、(2)から\(\)を消去すれば、選択肢にあるような答の形に持ち込める。  [ 選択肢を意識しながら、式変形しよう ] 
 具体的には、(1)より \(\displaystyle \sin r_0 =\frac{1}{n} \sin i_0 \)  (3) 
 (3)の2乗と(2)の2乗を足して
  \(\displaystyle \sin^2 r_0 +\cos^2 r_0 =\frac{1}{n^2} \sin^2 i_0 +\frac{1}{n^2} \) 
 \(\sin^2 r_0 +\cos^2 r_0 =1 \)より\(r_0\)が消去できて \(\displaystyle 1=\frac{1}{n^2} \sin^2 i_0+\frac{1}{n^2} \) 
  ∴ \(n^2=\sin^2 i_0 +1\)  ∴ \(\sqrt{n^2-\sin^2 i_0 } =1 \)     ④ 

Posted by AKJ